マンガでわかる!
注文住宅の3つの意外な落とし穴!

Case 3

完成したら展示場モデルハウスと全然違う!
娘もガッカリ…

ハウスメーカー選びを
こだわリスカウンターに相談してみる

注文住宅の落とし穴
出来上がってみると編

私は37歳会社員、年収もまわりの友人よりは多い比較的恵まれた環境にいると思う。私の宝物である、8歳下の妻と7歳になる一人娘の為、彼女たちが「お友達を呼んでも自慢できる家」を建てることにした。

住宅展示場をあれこれと見学していると、彼女たちが「パパ、この家ドラマにでてくるお家みたい!」と目を輝かせている。建物がいいのはもちろんだが、どこから見ても高そうな家具や絵が飾られている。この部屋を作るとなると、結構コストがかかりそうだ。

展示場の担当者に、この部屋はオプションが多いのか確認したところ、数十万程度のオプションで大丈夫と言われた。合わせてアシスタントの女性にも「家具などは合わせ方なので、値段ではありません。センスです。」と言われ少しほっとした。家具の選び方などもコーディネーターがアドバイスしてくれるそうだ。

この住宅メーカーは標準仕様でも比較的良いものを使っているので、多少質感は変わるがこの展示場と同じようなデザインの部屋は作れるという事で一安心。彼女たちの「かっこいいパパ」である私は迷うことなく契約した。

打ち合わせをしていく中で、仕様を決めていくと、確かに標準品でもいいのだが、オプション品の方に目が行ってしまう。と、同時に価格をみると、あきらめざるを得ない。妻たちには「大して変わらないので、標準品でいいね」などといいながら、仕様が決まった。あとは完成を待つだけだ。

家が建つ前だが彼女たちはすっかり引越前のルンルン気分。新居に置く家具を買いに行こうと、今日は朝からはしゃいでいる。

家具屋に着くと、早速愛娘が「この前みた素敵なお部屋」みたいな家具を探し始めた。子供というのは恐ろしい記憶力だ。先日展示場にあった応接セットと同じものを見つけてきた。「パパ、この間のドラマのお家にあった、お椅子を見つけたよ。うちもこれにしようよ」と。

流石に高いだろうと思いながらも、建物の仕様は標準品で抑えたから、多少予算も浮いたので、奮発してあげようかなと思い、売り場に向かった。
「パパ、これだよね?」確かにそこには展示場で見た物と同じ家具が並んでいた。よく見ると横に「お手を触れないでください。」と掲示してある。明らかに周辺の家具とは扱いが違う。妻と私は恐る恐る価格を確認してみた。驚愕した。そのソファセットは明らかに私の年収を上回る金額である。素敵なわけだ。標準品仕様で浮かせた金額ではとてもまかなえるものではなかった。売り場のスタッフの方にこのソファセットについて聞いてみると、住宅展示場などでも良く使用されている、超一流の輸入家具らしい。ただこの家具を普通の家においても浮いてしまうらしく、家の重厚感なども大事になってくるらしい。展示場とは夢の空間だなと改めて思った。

それから約1月。家が完成した。

内覧会につくとそこには、夢に見た我が家が建っている。我ながら立派な家である。目を輝かせる彼女たちと早速なかへ。娘はお目当てのリビングに一直線。「??」リビングが静かである。行ってみると、少し戸惑っている娘がそこにはいた。

それもそのはず、出来上がってきた家には重厚感は感じられない。色などは標準品とはいえ、展示場のものと出来る限り近いものを選んである。
どこがどう違うとは具体的には表現できないが明らかに展示場の家とは別物である。素人なりに無理に表現するなら重厚感と質感がない。薄っぺらいとでも言おうか。
ハウスメーカーの担当者は褒めてくれるが、私はいまいち納得ができない。妻は明らかに私に気を遣い、「素敵なお家ね、パパありがとう」と言ってくれる。こっそりと担当者に聞いた。「展示場のようになるって言ってたよね?」。担当者は「はい、デザインなどはかなり展示場に近いと思います。ただ、契約書にも謳っておりますが、質感等は実際のサンプル等でご確認の上、ご判断くださいとなっています。標準品なので、オプションほどの質感は出ないですが、これはこれで良いお家かと思いますよ。」と。

後に知ったことだが標準仕様の建築費は坪60万円だが展示住宅のそれはなんと3倍近い坪180万円だそうだ。

担当者の言う通り確かに記載はあった。甘く見ていた。瞬間、家具屋のスタッフの言葉を思い出した。
この家は完全にあの高級ソファセットが浮いてしまう家であった。

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